夢を語るとき、
「現実的に生活していけるのか」
ということも考慮して発想するようになったのは、
いつからだっただろう。
もう一度、自分は何がしたいか、まっさらな心で考えてみる。
「理想の職業は?」
その質問に、いまなら、
「サンタのよめになりたい。」と私は答える。
もちろん、北欧系の顔が好みとか、
トナカイが引くソリの助手席に憧れるとか、
白ひげで赤い服にお茶目な帽子が似合うおじさんが好き、
とか、そういうことではなくて。
思うに、サンタのよめであるならば、
年中、子供たちのプレゼントを何にしようと考えるだんなサンタのそばで、
一緒になってあれもいいね、これもいいね、とか、言っているはずで、
子供の喜ぶ姿を想像してうれしそうに活き活きと仕事するサンタの様子をみながら、
ときおり、ラッピングを手伝ったり、
いつも少し多めにプレゼントをみつもるサンタに
「またこの人はふんぱつして、しょうがないなぁ。。」とか思いながら、
微笑んでいたりしたいのです。
クリスマスも近づけば、徹夜ぎみなサンタにあったかい紅茶を入れ、
デスクでペンを持ったまま眠るサンタにそっと毛布をかける。
ときどき、むにゃむにゃ言ってるサンタの横で、
気づかれないように仕事を進めててあげたり。
じゃあ私がサンタになれば?という案もあるけれど、
寒空のなかを駆け抜けて、煙突をくぐりぬけて他人の家に侵入する体力も度胸も私にはない。
子供たちにとってはサンタこそが願いをかなえてくれるヒーローで、
でも、実のところ、そのヒーローをこっそり支えてるのはわたし。
というのが、なんていうかうつくしくて楽しい。
クリスマスの日は、プレゼントを配り終わったサンタに、
とびきりの朝食を用意して、いつもにましてニコニコわいわい話しながら食事をする。
食後すぐにサンタがウトウトしてしまうのを、
その日ばかりは、そんなことしてると太っちゃうよ、とは言わず、
一緒に寄り添って眠るのです。
そして目を覚ますと、
二人でしばらく休暇を過ごすため、南の島に旅立つ。
眩しい陽射しをあびて、青い空の下、海を見てのんびりしながら、
でも、二人して、出てくる言葉はやっぱり同じ。
「次のプレゼントにこれはどうかな?」
そんなそんな、サンタのよめの日々。
・・・・・・☆
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