2011-08-23
サンタとスネオヘア

朝、目を覚ますと、そこには、スネ夫がいた。

港から吹いてくる風が、一晩にして、サンタの髪をスネオヘアに変えていた。

「この形は・・・」
遠い目をしたあと、

「伊豆半島のようだ」
彼は言った。


それから、彼は伊豆半島について話しはじめた。


伊豆半島は、4つの大陸プレートが混ざっていて、
元々はフィリピンだったという。


今、彼はフィリピンの一部をアタマにのせて、
私に地球の遠く永い歴史を語っているのだと思うと、
なかなか感慨深いものがあった。



彼は、続けて風の前に立ち、
どのような歴史をたどり、スネオヘアができたのか、
風との関係性なども含め、論説してくれた。


私は聞く。


「どうして風が吹くと思う?」


サンタは黙り込む。


「地球が宇宙で回っているからだよ。」


そういって、私がサンタの周りを公転すると、
サンタも艶やかな自転をして見せた。



ぐるぐるまわる惑星の姿を思い浮かべながら、
世界には、また新たな風が生まれようとしていた。



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