長い　夜が明けていく
空の向こうから差し出される　朝陽を受け取って

わたしは　これからはじまろうとする時間に
静かな躍動をこころにおぼえながら
だけど
決して　夜の美しさも　忘れていない


ひっそりと浮かぶ月に　自分の孤独を映した夜
闇のなかで光る星々に憧れた夜
湿った風のなかに　涙を溶かした夜 ＿＿＿＿



わたしは知っている

それらたくさんの夜たちは
何もなかったように　消えたのではなく
いまも宇宙の遠く遠くへと進みながら
朝をひっぱって　差し出し続けてくれていることを


いま　私の前に広がる穏やかで明るい朝陽は
それら　夜が連れてきてくれた



これからはじまる　光のなかの時間を
大切に　生きよう



こんなにも世界は美しく

愛してくれるのだから




　　　　　　　　　　　　　　　２０１１．７．１６
　　　　　　　　　　　　　　　夜と朝の交差点にて